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ガラスが汚れるメカニズム?
多くの方を困らせているのが、水垢汚れ。
水垢の原因は、ミネラル?カルキ?シリカ?など様々言われています。
水垢はガラス表面上の付着物 だ。と誤解している方が多くいらっしゃいますが、実はガラスの水垢を形成する原因は化学反応だったのです。
ガラス以外の水垢を例にすると、酸性の薬品で溶かしたり、研磨剤などで擦ると簡単に落ちるケースがあります。
なぜガラスや鏡だけ水垢が落ちにくいのか、疑問に思ったことはありませんか?
ガラスの水垢は化学反応によってできている。
そしてその化学反応をスタートさせるトリガーとなるのは、水だったのです。
ガラスの成分は〇砂です。
「ガラスが水と化学反応する」そのメカニズムとは・・・
その前に、ガラスの成分からおさらいしていきます。ガラスの成分は
ガラスの主成分は珪砂(ケイシャまたはケイサ)でSiO2(シリカ)というガラスの骨格になる成分を得るために使われています。そこに石灰(CaO)やソーダ灰(Na2O)というものを加えて加工したものがガラスとなります。
ガラスの種類や特性によってナトリウムやカルシウムの他にもホウ酸、アルミナ、マグネシウム、酸化亜鉛などの物質が原料として含まれています。
一言でガラスといっても、様々なものがブレンドされていることがわかります。
化学反応について説明します
いよいよ本題に入りますが、ガラスと水が化学反応するって本当なの?と思った方も多いと思いますが本当です。
ガラスが汚れるキッカケは水との化学反応です。
①ガラスに水が接触すると、ガラスに含まれるナトリウムイオン(Na⁺)と水に含まれる水素イオン(H⁺)がお互いのイオンを交換することで水の中にナトリウムイオンが溶け出します。これをイオン交換といいます。
②イオン交換によって水に溶けたナトリウムイオンは乾燥し、空気中の水分と反応することで水酸化ナトリウムになりガラスを侵します。
③水酸化ナトリウムはさらに空気中の二酸化炭素などとの反応によって塩(えん)になります。塩とは炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムになります。
この一連の①~③の化学反応によってガラスが劣化することを「焼け」といい、(ここでの焼けとは酸焼けとは異なります)水滴などの付着によって繰り返されます。
参考文献ガラス表面の物理化学 土橋正二著 講談社
結論
この化学反応に様々な他の要因・物質が合わさることで頑固な水垢が形成されていると考えられます。つまり、ガラスと水との『付着↔乾燥』がガラスが汚れる根本的な要因だと言えます。
頑固な水垢は表面だけを磨いてもなかなか落ちません。硬い物質で擦ると傷がつくリスクがありますし、酸性の薬品で溶かそうとするとガラスが白くなる「酸焼け」のリスクがあります。
ナノレベルでガラス表面を研磨し、目に見えないレベルでガラスを削ることでしか頑固な水垢を落とすことができないというのが結論です。
水垢を落とす時に使用している研磨剤(コンパウンド)の粒径は何µですか?
またその硬度は?
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